鉄道車両への防犯カメラ設置義務化を検討

防犯コラム
2021.12.07 火曜日
鉄道車両への防犯カメラ設置義務化を検討

鉄道運行の安全性向上に進む義務化

昨今の電車内における傷害事件の発生を受け、国土交通省が鉄道車両内への防犯カメラ設置の義務化を検討する旨を発表した。

国土交通省大臣の話では「車両の新規製造の際に車内への防犯カメラ設置を鉄道の技術基準として位置づける」事などが検討内容となる方針。

これに伴い、以下の安全対策を国がまとめている。

  • 新規導入する車両への防犯カメラ設置の義務化
  • 非常通報装置の機能向上
  • 通報装置、非常用ドアコック、ホームドアの表示を共通化
  • 手荷物検査を実施しやすい環境整備。警察との連携

国土交通省が対策をまとめたことを受け、警察庁は各都道府県警に対し、鉄道事業者との連携を強化を進めるよう指示を行っている。

また、駅校内での手荷物検査の実施に関しては、利用者に対する協力と理解を求めていくとの事。

|テレビ朝日系(ANN)より引用|

凶器や危険物を持ち込ませないことが重要

鉄道車両への防犯カメラ設置義務化を検討

2021年8月に小田急線で、10月には京王線で起きた傷害事件、どちらも走行中の電車という逃げ場のない空間で起きた凶行で、多くの方が被害に遭ってしまいました。

また、2015年6月には東海道新幹線車内で焼身自殺、2021年11月には九州新幹線車内で放火未遂事件も起きており、鉄道関係全体で安全性の見直しが求められていた中で、国土交通省が対策をまとめる動きを示しました。

車両内への防犯カメラの設置により、傷害事件や痴漢行為、迷惑行為などに対する抑止効果が期待でき、より安全で快適な車内環境が整えられると思われます。

そして最も重要になるのが、凶器や危険物を持ち込ませないという対策になると思われます。

手荷物検査は2021年7月の省令改正により実施できるようになっているものの、声掛けの対象となるのは駅係員が不審者と判断した場合となっており、実施を行う中で改善を進めて行く形になっているようです。

空港のようにX線検査でひとりひとりの手荷物を確認することができればより安全性は高まりますが、駅構内でとなると現実的では無いため係員による判断に委ねざるを得ないということになります。

現時点でできる可能な限りの対策にななりますが、安全対策が打ち出されたということは非常に大きな事になりますので、利用者側として駅構内で声を掛けられたときは協力を行い、鉄道利用の安全性向上に繋がることを期待したいと思います。