防犯カメラの設置で注意すべきポイント

防犯機器について
2021.06.17 木曜日
防犯カメラの設置で注意すべきポイント

防犯カメラの効果は“設置”で大きく変わる

近年、防犯カメラの普及はすごい勢いで拡大を続けています。そこで今回は防犯カメラの設置において、注意すべきポイントをまとめました。
防犯カメラを設置する際は、以下の要素を満たしながら進めていくと良いでしょう。

設置位置の選定

防犯カメラをどこにつけるかで、効果は大きく変わります。

抑止効果を見込んで、泥棒が下見の際や侵入の際にカメラの存在をはっきり認識できる場所を選ぶのがポイントです。

設置位置によって映すことができる範囲や映り方が変わるため、見たい場所をしっかりと撮影しつつ、侵入者を正面から撮影できる場所を選定しましょう。
※逃げていく犯人の後姿を撮影しても意味がありません。

設置機種の選定

どのような形状・性能の防犯カメラを設置するかを、環境に応じて選定しすることが重要です。

カメラによって撮影範囲の広い・狭いの違いがあるため、間違った機種の選択をすると、映したい場所が映らなくなる可能性があります。

暗闇に対する撮影方法も機種によって異なり、真っ暗な場所(暗さ)に弱いカメラをつけると全く映らなくなります。

また、建物内から屋外へ向けて設置する場合(マンションのエントランスなど)、暗い場所から明るい方向にレンズを向けることため逆光になります。
その際に感度の強いカメラを設置すると、光を拾いすぎてしまい、まぶしすぎる映像になってしまいますので、逆光を抑える機能を搭載したモデルを選ぶ必要があります。

機器の組み合わせ

防犯カメラシステムは「カメラ本体」「録画装置」「電源装置」といった部分から構成されます。

カメラの機種を選定した後に、そのカメラを接続できる電源装置や録画装置の機種を選ぶ必要があります。
これを間違えてしまうと、カメラと録画装置がつながらない、録画時間が十分に確保されない、電源供給不足になり夜間の赤外線照明がつかない、などの不具合が発生してしまいます。

この組み合わせ(互換性)を間違えた際に発生する不具合は、実用上深刻なもになりますので、間違えることの出来ない重要なポイントになります。

配線ルートの選定

防犯カメラシステムは、有線で繋ぐことが基本で(無線接続もありますが、事前調査や工事が大変)、カメラから主装置(録画装置)までの配線ルートを、設置場所の美観や防犯上の安全性を考えながら選定する必要があります。

例えば屋外の防犯カメラの場合、配線が剥き出しになってしまうと、侵入者に切られてしまい、カメラの機能がすべて止まってしまう恐れがあります。
そのため、配管・配線をなるべくカメラに近い位置から壁面や地面に隠蔽していくことで、物理的な切断を防ぐと共に、美観を損なうことを防ぎます。
また、使用する配管もコンクリート壁面に樹脂製のものを使用すると非常に目立ってしまうなど、細かな神経を使いながら配管・配線ルートを決定していきます。

無線の場合は、見通しで何メートル、などと無線到達距離が定められており、無線間の壁の枚数や厚さや材質によって、その到達距離が減衰してしまうので、無線の種類や強さを環境に合わせて選定していく必要があります。

業務用防犯カメラ設置に「事前調査不要」は危険

防犯カメラの設置で注意すべきポイント

防犯カメラの機種選定や、設置工事については専門的な知識や技術が必要になるため、導入を行う前の段階で専門家としっかりと打ち合わせ・事前調査を行うことが重要になります。
そのため、設置前の事前調査を省略しようとする業者は避けたほうが良でしょう。
事前調査を省略することで得をするのは人件費が節約されるその業者だけで、施主(お客様)に得なことは何もありません。

近年「簡単設置」「らくらく設置」「工事いらず」といった「お客様側で簡単に設置できるので、設置工事がいりません」「下見はいりません(しません)」といった防犯カメラを販売している業者がいますが、用途によっては注意が必要です。

ペット見守り用などの簡易的な防犯カメラの場合、機能をはじめ映像の鮮明さや安定性が業務用のカメラほどの水準のものではありませんが、コストも低く、事前調査や設置工事が不要というのは一般家庭などでは需要も大きく導入がしやすいタイプになります。

一方、生命の危機や物品の盗難を防ぐための防犯カメラの導入の場合、設置に際して調査・下見を行う方が、工事の精度も上がりお客様のためになります。
しかし業務用タイプの防犯カメラ設置を積極的に省こうとするのは、単に販売価格を下げるためではなく、原価を下げるのが目的という思惑があるので危険です。
この業界にはそもそも下見を有料で行う習慣が無かったため、下見にかかる人件費・交通費は販売側の負担になります。また販売競争の中で「下見は有料」と言ってしまうと、無料で請け負う他社にお客様を取られてしまいます。そのためこの業界で「下見は有料」とはなかなか言えない背景があります。

つまり、下見を請け負ったことの無い業者では、工事に何人連れて行けばいいのか、配線はどのような部材で何色で隠せばいいのか、カメラの撮影範囲とお客様の見たい場所は合致するのか、など防犯カメラ設置の上で重要な要素を満たすことができません。

防犯カメラ設置の根本的な考え方は「防犯」になります。生命の危機や物品の盗難を防ぐための防犯カメラの導入の場合は、設置前にしっかりと事前調査を行う専門業者に依頼することが重要です。