【大阪府】毒薬の筋弛緩剤を盗んだ看護師の男の目的
- 万引・内部不正の事件簿
- 2021.05.14 金曜日
薬品管理の重要性を再認識させるためと供述
2021年3月、大阪府内の病院で毒薬の筋弛緩剤1本が紛失するという事件が発生。後日病院に勤務する看護師の男(30代)が窃盗の容疑で逮捕された。
筋弛緩剤は呼吸困難を引き起こす作用のある毒薬として指定されており、盗まれた1本で成人1人分の致死量に相当する量だったことがわかった。
警察の取り調べに対し、容疑者の看護師の男は「病院の薬品管理体制がずさんだった。大騒ぎを起こせば薬品管理の重要性を再認識させられると思った」と供述している。
盗み出された筋弛緩剤は容疑者の自宅裏でガスバーナーを使用し、焼却処分されていたことが判明。
その際、薬品を入れた瓶が大破し、中身が飛び散ったとのことだが、近隣住民を含めて健康被害などの報告は出ていないという。|関西テレビより引用|
薬品盗難による影響は病院内全体にも拡がる
基本的に病院や薬局などでは薬品の管理に関しては、厳重な体制が取られていることと思われます。
しかし、今回の容疑者の供述のように「ずさんな管理体制」により、薬品の紛失・盗難が起きてしまった場合、その影響は当事者だけの問題では無くなります。
医薬品・医療機器に関する取扱いには法律が定められており、法律に基づいた管理・規定に違反があったと判断された場合、該当者には「二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金」が課されてしまいます。
今回のケースでは、現場責任者と院長が業務上の過失責任が問われる可能性があり、法的な罰則に留まらず、病院全体に対する信頼を失ってしまうことにも繋がりかねます。
医薬品や医療機器、カルテといった個人情報などを取り扱う場所では、出入り確認ができる状態を保つこと、常時監視の目があることが必要になります。
監視の目は24時間、365日ずっと人が見続けるというのは不可能な話になりますので、防犯カメラを活用して監視・管理体制を設けることが現実的だと言えます。
高画質・長時間録画対応の屋内用カメラを管理室を中心とした出入確認が行える位置に設置することで、いつ・誰が出入を行ったかという記録を残すことができます。
また、防犯カメラの存在があるということをスタッフ全員が認識することで、内部不正の抑止効果をもたらすことができるだけでなく、病院内で急に具合の悪くなった方を見つけ出したり、業務状況を確認してスタッフへの指示出しを行うなど、さまざまな場面で有効活用を行うことができます。
患者さんが安心・安全に利用できることが病院に対する「信頼」に繋がります。より良い環境を保つための対策・施策を期待したいと思います。
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