防犯カメラの録画データを他人に見せる必要はあるのか?

防犯コラム
2018.05.16 水曜日
防犯カメラの録画データを他人に見せる必要はあるのか?

防犯カメラの録画映像を見たい、といわれたら

防犯カメラを設置していると、時折「録画したデータを見せてほしい」というケースがあるはずです。

その際に、録画映像を見せたほうがいいのか、それとも見せない方がいいのか、というところは非常にデリケートな問題になります。

出来得ることなら、導入時にある程度、防犯カメラシステムの取り扱いの方針を立てておいた方が、様々なトラブル回避につながります。

防犯カメラ映像の取り扱い基本スタンス

防犯カメラの録画データを他人に見せる必要はあるのか?

防犯カメラの録画映像を見たい、という事にも様々なケースがあります。

例えば、警察が犯罪捜査に活用したい、という場合や、その場を利用していたお客様が、なにかしらその場所で被害にあってしまった場合などがよくあるところです。

「見せてほしいといわれた場合、特に気にせず見せる」という事は大きなリスクを伴います。

その為、「Aの場合は見せる、Bの場合は見せない」というような指針が必要です。

基本的には「国や官公庁の求めには従う」「それ以外は基本的に見せない」という対応がバランスがいいようです。

お客様が録画映像の開示を求めてきた場合

お店や賃貸マンションなどで、お客様に「防犯カメラ映像を見せてほしい」と言われることは、割と起こりうることです。

例えば、お店の駐車場で車に傷がついていたから犯人を確定させたい、とか賃貸マンション付近でトラブルがあったから証拠として録画映像を確認したい、などの理由で「カメラがついているんだから、見せてくれるに違いない」とばかりに映像の開示を求められます。

しかし、その防犯カメラシステムは、あくまでも店舗のオーナーや賃貸マンションオーナーがお金を出して、自己の利便性の為に購入したもので、当然所有権や使用権はオーナーにあります。
店舗のお客様や賃貸マンション住人の物ではありません。

そのため、そもそも防犯カメラ映像を見せる義務はありません。

逆に、防犯カメラ映像を見せることでさまざまなリスクが発生します。

例えば賃貸マンション付近のトラブルの当事者の一方に「カメラ映像を見せてほしい」と言われ、その通りに見せることは、当事者の一方に加担することを意味し、もう一方の恨みを買いかねません。

また、その録画映像をCDやUSBに吸い出して渡してしまうと、防犯カメラ映像という個人情報に近いものを流出させてしまうことになります。
録画映像データを手にした人が、その映像をインターネットなどで拡散させることもあり得ます。それが起こるかどうかは予測ができません。
映像の管理の観点からも、基本的には録画データは他人に渡すべきではありません。あくまでもオーナーやオーナーに代わる方が閲覧し、再生するだけにとどめておくべきです。

知り合いや信用できる方には再生映像を見せるかどうかの判断を慎重にし、データのコピー等は避けたほうがよさそうです。

警察が録画データの開示を求めてきた場合

警察が録画データの開示を求めてきた場合は、基本的に応じて大丈夫です。

あくまでも犯罪捜査のための活用が目的であり、その映像の取り扱いについても細心の注意を払ってもらえる為、安心という意味でも社会貢献という意味でも、映像を提出して問題ないといえます。

ただし、警察と言えども、全メーカーの全機器の操作方法に精通しているわけではない為、いざ再生しようとしても操作方法がわからない、という事は起こり得ます。

そういった場合は、オーナーが手間を引き受けるよりは、警察から防犯カメラシステム設置業者に直接連絡してもらい、操作方法等を指示してもらったほうが良いでしょう。

録画映像の取り扱い

上記のようなものを考えると、「警察の要求には応じる」「お客様や第三者の要求には応じない」といった方法が最も的確なようです。

ただし、お客様の要求に応じない場合は、お客様の気分を損ねてしまうことも多々あります。

そのようなときは「警察以外には見せられない」「まず警察に相談し、そのあと警察から開示の求めがあれば見せる」等の進め方をした方が間違いがありません。

そもそもそのお客様が純粋に被害者であるかどうか(もしくは加害者ではないかどうか)も、一般的には判別ができません。

また、その出来事に関与する必要が基本的にありません。

判断はまず警察にゆだねる、という方針を念頭に置く必要があります。