仕掛学で万引き防止、アイデア防犯対策に脚光
- 防犯コラム
- 2022.02.07 月曜日
人の気を引く仕掛けで防犯対策
万引き防止の新たな手法として「仕掛学」を取り入れた対策が取り入れられ、注目を集めている。
人が「ついしたくなる」ように行動を仕向ける仕掛けを「仕掛学」という。
これは大阪大学大学院経済学研究科の松村真宏教授が提唱する学術で、防犯の分野において、仕掛学と掛け合わせた対策を実証し、成果を上げている。
実際に仕掛学を取り入れた防犯対策として、愛知県警が主導のもと県内のスーパーマーケットの床に「防犯カメラピント調整中」の張り紙を行ったところ、年間の万引き件数を2割減らすことができたという。
松村教授と警察では今後の継続的な展開を仕掛けていけるよう、アップロードを行いながら更なる防犯対策への取り組みに意欲を見せている。
|メ~テレ(名古屋テレビ)より引用|
「見られている」意識が犯行抑止に繋がる
万引き犯の中には防犯カメラの存在に気付づかず犯行を行う者がいるということです。
それでは防犯カメラを設置しても抑止効果を与える事ができず、実行されてしまうことになります。
防犯対策で最も重要なのは「犯罪が行われないこと」「犯行を未然に防ぐこと」ですので、事前に「見られている」という認識を与えることが効果を発揮するための前提条件となります。
お店の床や棚に「防犯カメラピント調整中」と書かれた張り紙があることで、自然と「防犯カメラがある」と認識し、万引きを犯す気持ちを抑止する方向に働きます。
街中で「防犯カメラ24時間監視中」という看板も同様の効果を与えますが、より人の興味を引くという点では「仕掛学」による心理的な誘導は防犯対策にイノベーションを起こす画期的な手法のひとつと言えます。
今回、防犯の観点で成果を見せた「仕掛学」ですが、人の行動変容を促すという効果は新型コロナウィルス感染症による生活様式の変化の中で、感染症の拡大防止に向けた切り札としても注目されてます。
今後あらゆる分野で有効活用され、豊かで安全な社会の環境づくりに効果を発揮していくことに期待したいと思います。
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