ALSOKグループの警備員による窃盗
- 万引・内部不正の事件簿
- 2015.12.17 木曜日
ALSOKグループの警備員による窃盗
2015年12月17日、ALSOK(綜合警備保障)グループの警備員が、巡回警備先の高校で現金22万円を窃盗した容疑と、巡回先の事業所の金庫から現金を盗もうとした窃盗未遂で逮捕されていた、と産経新聞で報道された。
逮捕されたのは、ALSOK(綜合警備保障)の28歳男性社員で、高校での現金22万円の窃盗については「やっていない」と容疑を否認しており、事業所での窃盗未遂については認めているという。
このALSOK(綜合警備保障)の男性社員(28)は懲戒解雇されたとのこと。
内部不正が起きない防犯対策
上記の事件のように警備会社では業務の遂行のため、お客様の鍵を預かり無人の事業所に入ることができるようにするため、物品の窃盗はどうしても起こり得ます。
警備会社として、お客様の財産を守り、安心を作る事業である以上、ALSOK(綜合警備保障)は全力で社員を教育していたことに疑いようは有りませんし、人材の採用にも慎重を期していたことは疑いようのないところだと思います。
ただし、警備会社の警備隊員の採用基準が、銀行の採用基準よりも高いことはなく、警察よりも身元調査が固いわけではありません。
警備員・ガードマンというと、警察に準じる人種で、正義感にあふれ、泥棒と見るや格闘してでも逮捕し、命をかけて他人の身体や財産を守る、というようなイメージが多かれ少なかれありますが、実はこのイメージには大きな誤解があり、実際は単純にサラリーマンです。
なので、無理に強盗や泥棒と戦い怪我をすると労災になってしまうため、戦闘するように訓練はされていません。労災は経営側にしてみれば大問題で、できうる限り避けるべきことなので、労災の可能性があることを積極的に推奨することは絶対にできない、という事情があります。
警備員は法律上はただの一般人で、通常のサラリーマン以上の権利を法律上得ているわけではありません。
大手警備会社の警備員採用基準は、一般的に、中小企業と同水準か、もしくはそれを下回ります。
なので、今回の事件のように、警備員が巡回中に不正を働くことは起こり得ることで、この事件はあくまでも氷山の一角であろうことも予測できます。
警備会社の業務は「現場確認業務」といって、お客様の代わりに現場を確認し報告することになり、泥棒がお客様の事務所に侵入し、それをセンサーが検知した際に、25分以内に駆け付けて、現場を確認し、被害状況を報告することが仕事です。
ですので、泥棒を探し出し、格闘し、金品を取り戻すことが仕事ではなく、「窓ガラスが割られている」「事務所内が荒らされている」など報告する事で業務は完結するため、侵入窃盗を防ぐことはできません。
従業員が無人の場所へ、よく知らない人が勝手に出入りできるようにするシステムなので、犯罪を防ぐ・防がないの前に、こういった警備員による事件は、どうしても起こり得ます。
そういった間違いを起こすことなく、侵入窃盗も確実に防ぐ為には、人の力ではなく自動で泥棒を撃退するセキュリティシステムがコストも低く有効です。
侵入発生の通報が来た際には、警備員の駆付け要請をするのではなく、警察に直接連絡して、パトカーで現場に急行してもらったほうが圧倒的に早く確実です。
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