【京都府】消火用ホースの筒先盗難、消火活動に支障も
- 資材・金属盗難の事件簿
- 2021.04.15 木曜日
消火栓12箇所で盗難被害
消火栓のホース格納箱から消火用ホースの筒先が盗み出される事件が発生した。
盗難被害が起きたのは京都府福知山市内に設置されている消火栓で、4月11日~12日にかけて12箇所で盗まれていたことが判明。
消火栓は古いタイプだと真鍮製のものも多く、12年に69本、15年にも26本が盗まれる被害に遭っており、消防庁が管理を行っている各自治体に盗難防止や定期点検の依頼を行っていたという。
ホースの筒先が無ければ、火災発生時の消火活動にも支障をきたすため、市消防団員も「もしもの時に使えないので困ります。こうしたことはやめてほしい」と憤っている。
|両丹日日新聞より引用|
連続被害を防ぐためには素早い防犯対策を
金属製の消火用ホースの筒先の盗難は転売を目的とした犯行と考えられます。
京都市内では数年前にも消火用ホースの筒先が盗難被害にあっていることから、窃盗犯は消火栓周辺の様子を伺いながら、防犯体制が弱まる頃合いを見計らって犯行を行ったように考えられます。
連続して被害に遭った直後は警戒心から防犯対策への意識も高まるものの、時間の経過とともに徐々に警戒心も薄れ、防犯対策への意識も下がって来てしまいます。
窃盗犯はこうした瞬間を逃さずに犯行に及びます。
また、窃盗犯の行動心理として、一度犯行が成功すると続けて犯行に及ぶ傾向があります。
今回の場合、消火栓の管理方法や防犯対策が各所で統一されていることが考えられるため、同じ犯行手口を使うことで複数個所を狙うことができたと推察できます。
事務所や店舗、工場といった場所でも一度犯行に成功すると、立て続けに同じ場所を狙って犯行を重ねるといった行動を起こすことがあります。
これは事件後も防犯対策の強化がされていなければ、「一度目に侵入した時とあまり変わらない防犯レベルだ」と見なされ、再び侵入されてしまうというケースです。
被害者側の「一度泥棒が入った場所にはもう来ないだろう」という気持ちの油断を突いた行動とも言えます。
繰り返し盗難被害に遭わないためには素早い防犯対策の強化を行うことが重要になります。
例えば、チェーン店の場合は防犯対策の仕方をマニュアル通りに統一化せず、各店舗ごとに強化を図ることで『同一チェーン店を狙った連続窃盗』という被害を回避できる可能性が高まります。
消火栓などの公共設置物においても、設置場所ごとの環境はそれぞれ異なる部分があるはずですので、その環境・特徴を活かした防犯対策を行うことで今回のような被害を未然に防ぐことはできます。
それぞれの環境に対し、どのような防犯対策が有効なのかを調査し、最適な方法を提示するために防犯設備士という資格を持った防犯のプロフェッショナルが存在しますので、お気軽に防犯診断のご相談を行っていただければと思います。