防犯カメラの価格・設置費用と相場

防犯コラム
2016.03.10 木曜日
防犯カメラの価格・設置費用と相場

防犯カメラの価格や設置費用と相場

防犯カメラ設置を検討している方にとって、その料金・価格は気になるところである。

ネットショップで販売しているカメラの場合、機器代金だけは明確に価格が表示されているが、問題は「品質がわからない」「設置費用がわからない」ことである。

品質についてはどの業者も「高品質」を謳うため、それは業者同士の競争でそう言わざるを得なくなった結果の産物であることがわかる。

そのため、ネット上での「高品質」はあてにすることができず、品質については正直、実際の防犯カメラの映像を設置現場で見て確かめる方法が一番確実で、失敗しない方法だといえる。

また、工事料金はネットショッピングでは明記されていないことが多く、機器だけの通信販売にとどまる業者も多い。

購入者が自力で設置できる場合は機器だけの購入で問題ないが、多くの場合、自力で設置する事に様々な問題が出てしまう。

手間、時間の問題もあるが、何より技術的な問題で、防犯カメラはカメラ自体の設置位置から録画装置の設置位置まで配線をする必要があり、多くの場合、一般的な家電とは比較にならないくらいの長距離配線になるため、壁の貫通や天井裏配線、地面に埋設など、素人離れした土木作業が待ち受けている。

うまくその作業を完了したとしても、貫通の穴が不格好だったり、壁を這わせた配線が室内の美観を損ねたり、など見た目まできちんときれいに配線することは至難の業である。

また、設置費用を削減したつもりでも、材料や工具、脚立などを必要に応じて買い足していくことで、想定してたより多くのコストがかかってしまい、手間と時間がかかった割に思ったよりも安くない、業者に依頼してしまったほうが総合的に考えると割安だ、といったこともしばしばです。

そこで、防犯カメラ専門の工事業者に工事だけ依頼することになるが、その場合は5万円×カメラ台数ほどで計算すれば、大体の相場感には合致する。(配線距離が長かったり、配線ルートが複雑だったりする場合は、この相場観を大幅に上回る)

大手警備会社の防犯カメラの品質とコスト感

防犯カメラの価格・設置費用と相場

もう一つ価格で気になるところは、世間一般に広く認知されている警備会社A社やB社の価格で、この業界、TVCMを放映している会社の防犯カメラシステムは、目玉が飛び出るほど高い。

A社のコスト感は、カメラ2台、録画、設置工事のセットで60万円~80万円で、B社もほぼ同等である。これを業界では「A社価格」「B社価格」と呼んでおり、機器の品質に対しどうなのか?と物議をかもしている。

TVCMを常時放映している会社の場合、その広告料や地代家賃、人件費など膨大な費用がかかる為、それは販売する際のコストに反映されることは致し方がないことともいえる。

そのコストは「A社のカメラなら」という安心料だといえる。

ただし、気をつけなければいけない点は、カメラの品質は決して高くはなく、A社のカメラは韓国サムスン電子の機器で、カメラ1台当たりの仕入れ原価は驚くほど安いものだった。(A社の1株当たりの株価と同額位の仕入れ価格だった)サムスン電子は利益があわなかったのか、そのカメラの製造を止め、A社との取引もなくなった。

もちろん、そのカメラにはA社のロゴマークが付けられていたため、世の中にはA社製品で認識されているが、業界内ではその映りの悪さに驚いていたものである。

そのため、A社に依頼することの安心感よりも、高画質な防犯カメラを設置することが目的の場合は、その目的は達成できないこととなる。

工事価格の相場観と機器の仕入れ原価、実勢販売価格から推測すると、45万円~65万円程が利益と社内経費に相当してしまうため、うーんいくらなんでも、とは思ってしまう。

これがカメラ自体がきちんと高画質なものだったら、仕入れ原価が大幅に変わってくるのだが、あの仕入れ価格で、、、というところが正直なところではある。

防犯カメラの価格と保証期間

防犯カメラのコストは上記の様に、単純な数字上の価格だけでは測れない。

低価格だと思って買ってみれば、設置費用が思いのほか掛かってしまったり、品質のいいものを、と考えて大手警備会社に依頼をしてみたところ、中身はネットショッピングの防犯カメラと大差なく、警備会社のシールが貼ってあるだけしか違いはない、結果として超割高な買い物になってしまった、という事があり得ます。

また、防犯カメラのトータルコストは「機器代金+設置費用」だけでなく、長く使用していく中での「メンテナンス費用・修理費用」も考慮に入れる必要がある。

防犯カメラは性質上、管理やメンテナンスの必用がなく、逆にメンテナンスする部品もないので、せいぜいレンズ周りを拭くことくらいしか品質に関わるメンテナンスはない。

しかし、長期間使う中で故障は起こりうるし、消耗品は有償交換となる。(どのメーカーも消耗品は保証外となる)

特に防犯カメラシステムは録画に消耗品であるハードディスクを使用するため、通常は2~3年で1回ハードディスクを交換する必要がある。

そういった消耗品の交換や故障の際の修理費用なども計算に入れる必要もある。

数年間は保証、その後は有償修理、消耗品も同様と言っている場合、契約前に修理費用を聞いておく必要があり、その費用が4~5万程度、などであれば修理費用で利益を確保しようとしている業者であることが多い。

故障しませんよ、といっている業者は論外で、故障しない機械などない。

定期的なメンテナンスは無料です、という場合、もともと必要のないことなので、そこには割安感やメリットは実質何もない。

故障の有り無しを点検します、という場合も同様で、現在の防犯カメラシステムは故障どころか故障の前兆をユーザーや管理会社にお知らせする機能がついているため、訪問点検するより確実に早期に故障に気付くことができ、点検の意味はあまりなく、「点検します」を売りにしている業者はシステムが相当古いか、点検に訪問することで新たな機器の追加を提案したいだけの場合が多い。

優良な業者は、ある程度長期間の保証(防犯カメラの場合は5~7年間は保証しないと保証の意味があまりない)と、それ以降の修理費用も3万前後、というのが相場で、保証期間がそれよりも短かったり、修理代金がそれよりも高い場合は、相場を超えていると考えたほうが良い。